シーミーは、未来のリーダー養成場!

清明祭(シーミー)シーミーは、未来のリーダー養成場!清明祭の季節がやってきました。2019年の今年も 4月5日(金) 旧暦の3月1日からスタート。

週末の霊園周辺は、シーミー渋滞が発生します。「シーミー渋滞があるから早めに出た方がいいはずよ。」なんて会話。うちなーんちゅには当たり前だけど、本土の人には意味不明、なんともローカルな話題といえるでしょう(笑)

シーミー渋滞は何故起こるのか?それは、それぞれのお墓に門中(ムンチュー)と呼ばれる始祖を同じくする父方の血縁集団が集まって来るからです。

清明祭(シーミー)今の行、さらっと読んだ方、もう一度、2行上の文章を読み返してください。注目は、「始祖を同じくする父方の血縁集団」というところ。

ウィキペディアによると、糸満市にある日本最大の墓といわれている、「幸地腹(こうちばら)門中の墓」は、門中の一族の登録者の数、平成24年現在、3436人! 17世紀の半ばには、それまでの墓が狭くなっていたことから、1684年に現在地に築造されたのだそうです。3436人の門中!・・・びっくりΣ(゚Д゚)

ちなみにその門中の方に話を伺うと、広い墓地に集まる大勢の門中人達、正直、誰がどこの親戚筋なのか、わからないとのことでした(笑) 3000人余となると、それこそひとつの村の人口数ですし、これだけ人が集まれば、市会議員の一人を送り出すのも容易そうですよね。

ちなみに結束の固い門中では、奨学金や保育所等、門中の子や孫の育成のための制度を整えたとウィキペディアに記されています。次世代のより良い未来を願い、門中の方々が力を合わせたという記述に、思わず胸が熱くなりました。

さてさて、門中が大きければ大きいほど、シーミーの日程の設定や誰が何を準備するのか、挨拶は誰がするのか等、役割分担や調整は大変です。

そこで立ち上がるのがシーミー実行委員会! グループ分けをし、連絡係を決め、日程の調整、事前のお墓掃除、ご馳走や供物の手配等、シーミーがうまく行くよう手配します。シーミーの当日、実行委員は、早めにお墓に出向き、掃き清め、お墓の床にブルーシートを敷き、お墓の塀に○氏と書かれたのぼりを立て、門中の人々の到着を待ちます。

改めて考えてみると、シーミーはまさにイベント運営と言えます。

親について、幼い頃からシーミー運営手法を身近で観察していたら、そのノウハウが自然に身につき、やがてはクラスの運営やビジネスシーンでも活かせる日がくる気がします。

あらゆる所に教育の場がありますが、シーミーは、世代を超えた人々をまとめるという、今時珍しい貴重な教育現場ではないでしょうか?

沖縄の大切なこの習慣、ただただ義務で行うには勿体ない気がしますね。

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