琉球の偉人のお墓Vol.2玉陵

琉球には歴史上に名を残す偉人が沢山います。そんな偉人達の功績とともにお墓を紹介していくシリーズ「琉球の偉人のお墓」。
今回クローズアップするのは玉陵(たまうどぅん)です。

琉球国王(第二尚氏王統)が眠るお墓です。
第二尚氏王統の「尚真王」が父「尚円王」の遺骨を改葬するために築いた陵墓として、1972年には『国指定有形文化財建造物ならびに史跡』として指定され、2000年にはユネスコの『世界遺産』にも登録されています。(琉球王国のグスク及び関連遺産群を構成している文化遺産)

先日、国の文化審議会が玉陵を『国宝』に指定するよう求めたというニュースは喜ばしいことですね。登録が待ち遠しいです!

尚真王は13歳で即位し以後50年にわたり統治し、国づくりの土台を作った琉球国王です。

玉陵は1501年に建築され、現存する破風墓では最大最古といわれているだけあって圧巻です。敷地に一歩踏み入れると空気感が違うのを感じます。門をくぐると珊瑚砂利が敷き詰められている広い庭が目の前に広がります。

さらに中門をくぐると立派なお墓が目の前に!

王族の眠りを妨げないよう、静かに静かに歩みよると守護神のシーサーが目に止まります。このシーサーのお茶目な風貌に思わず笑みがこぼれ、お墓というのを忘れそうです。立ったままのシーサーは珍しいですね!

特徴は次のとおりです。

  • 現存する破風墓では最大最古
  • 首里城の西側に位置した立派なお墓、全体の造りは古琉球の板葺き屋根の宮殿を表した石造建造物(琉球石灰岩)で、周囲も立派な石垣で囲まれています。
  • 墓室は3つに分かれ、歴代国王と王妃は手前の東室に、中室は王と王妃の洗骨前の遺体を安置する場所として使われ、西室は石碑に記されている限られた親族が葬られています。ただ、その石碑には長男、次男の名前が記されていません・・・いつの時代も複雑な人間関係があるのでしょうね。
  • 棟には尚家の家紋、牡丹、唐草、宝珠などが彫り込まれています。
  • 陵墓を守るため、石彫獅子(シーサー)が置かれています。

当時これだけ立派なお墓を築くのは大変な労力を必要としたでしょうね。

ところで・・・第一尚氏王統のお墓はどこにあるのでしょう?今度クローズアップしてみたいと思います。
玉陵から琉球王国時代の人間関係や歴史が垣間見えます。

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