▼『仏壇』なのに仏様がいない!?沖縄の特有の『仏壇』とは?
お墓のように、沖縄と本土を比較すると文化的に異なるものがたくさんありますが、圧倒的に違うものの一つが『仏壇』です。『ブチダン』や『ウブチダン(御仏壇)』、『グリージン(御霊前)』、『カンダナ(神棚)』など、様々な名称で呼ばれていますが、特に沖縄の仏壇は、本土の人が見ると驚くべき特徴があります。今回はその特徴を2つご紹介します。
まず、沖縄の仏壇は『仏壇』なのに仏様がいないことです。本土のものは、その家が信仰する仏教の宗派の御本尊を中心に安置しますが、沖縄では祖先の名前を記した位牌のみが祀られます。また、床から仏壇の最も低い部分まで約90センチと高さがあり、本土の仏壇ではよく見られる派手な装飾が殆どなく、内部に3つの段を設けるのみという、非常にシンプルな構造となっています。
もう一つの特徴は、仏壇を作る人の違いです。本土では建物とは別のものとして、いわば家具と同じような扱いであとから設置されますが、沖縄仏壇は建物と一体化しており、まるで押入れや戸棚のような構造となっています。本土の仏壇は、建具や指物の技術を持った専門の職人が作りますが、沖縄仏壇は元々、大工さんが造っていたのだそうです。
沖縄県内中部にある工務店さんに聞いたところ、そもそも木造建築が減っていることもあり、昔ながらの仏壇を造れる職人さんが年々減少しているのだそうです。お墓と同じく、仏壇もリフォームが必要なケースが多く、人材育成が急務となっているのですが、まだまだ不十分なのだそうです。