いとこの間で有名なおじさんがいた。
そのおじさんは、年に2回、盆と正月に、祖父の家へやって来て仏壇にウートートーしていた。白髪頭で細身のその方は、“トウメのおじさん”と呼ばれていて、数いる訪問者の中でも有名なのは、おじさんは、幽霊が見える人だったからだ。
「アイ。あそこに女の人の幽霊がいるさ~。」
「庭のクロトンの木の側にオジーの幽霊が立っているけど、なにかね~。」と何気に呟く。
一度、トウメのおじさんに質問したことがある。
「その幽霊たちは、話しかけて来るの?」
そうすると、おじさんは答えた。
「頼みごとが多いさ~。中にはしつこいのもいて… アイエナ~。しっ、しっ、あっちいけ。はごーさぬや~(汚い)」
と見えない誰かを追い払う仕草をしたりした。
ちなみにトウメのおじさんの仕事はユタではない。ただ幽霊が見える人なのだ。
今考えると、幽霊が見えることで何のメリットがあったのだろうか?
すでに亡くなっているので、謎のままである。
もうひとつ幽霊話。
数年前、会社の同僚の女性が、体調がおかしいということでユタのところに行った。
すると、ユタがこう言ったそうだ。
「アンタ、軽自動車で通勤してる?」
「はい。」
「誰と?」
「ひとりです」
「アンタの車、いっぱい人が乗ってて 満席だよ~。」
ひとりで乗っているはずなのに、満席?! ヒィー。マジですか?!
同僚は、その場で車のお祓いを頼み、一件落着したらしい。
このふたつの話から推測するに、亡くなった人は、実は私達と同じ場所に存在している。ただ、次元が違うので、姿形は見えないが、
今、ここにいるのだ。
…となると、祖先を大切にしようとする沖縄の風習は、まともな考え方である。
だって、見えなくてもいるわけだから、ぞんざいな扱いをしたら、どんな評価が下るか分からない。「ちゃんとしないさいよ。ご先祖さまが見ているよ~。」とよくおばあちゃんに言われたものだけど、アレは単なる脅しではなかったんだね。
だからさ。
今更ながらに、毎日のお茶湯のことやお墓の手入れ、修理が大事ってことを教えられるのよ。
そうそう。お墓も上等が良いはずよ。
霊は、次元が違うだけで、今、ここにいるわけだから、自慢大会もしているに違いない。
特にオジー達。
「わったー。息子がおりこうさんでから、立派なお墓を建ててくれたわけさ。アレはご先祖孝行どー。」なんてね。
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