毎年夏になると耳にする「土用の丑の日」。そしてスーパーの店頭にはそのコピーと共にうなぎが並びます。
「うなぎを食べる」というイメージはあっても、「土用」や「丑の日」が何を意味するのかご存知でしょうか。
実は土用の丑の日には昔の人々が季節の変わり目を元気に過ごすための知恵が込められています。
1.土用とは?
「土用」とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前、およそ18日間を指す言葉です。
夏だけではなく、春・夏・秋・冬それぞれの季節の変わり目にあります。
古くから日本では、この時期は体調を崩しやすいと考えられ、無理をせず体を労る期間とされてきました。
以前紹介した「二十四節気」や「雑節」と同じように、季節の移り変わりをくらしに取り入れるための暦の一つです。
2.「丑の日」とは?
実は十二支は、年だけでなく日にちにも割り当てられています。かつては時間も干支でしたね。
そのため約12日に一度「丑の日」が巡ってきます。
夏の土用の期間中に訪れる丑の日を、「土用の丑の日」と呼びます。
年によっては土用の期間中に丑の日が2回あり、その場合は「一の丑」「二の丑」と呼ばれます。
3.なぜうなぎを食べるのか?
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣にはいくつか説があります。
最も有名なのは、江戸時代の蘭学者・発明家として知られる平賀源内にまつわる話です。
夏場にうなぎが売れず困っていた店主から相談を受けた平賀源内が
「本日、土用丑の日」
と書いた張り紙を店先に出すことを勧めらところ大評判になり、その風習が広まったという説です。
まさにコピーライターのはしりですね!
この話の真偽は定かではありませんが、現在まで語り継がれている有名な逸話です。
実際、うなぎは栄養価が高く、暑さで疲れやすい夏の体力作りにも適した食べ物でもあったので、大ヒットしたのかもしれません。
4.江戸時代のマーケティング?
さて、この平賀源内の話も有名ですが、当時実はうなぎはすでに蒲焼として人気の料理でした。
うなぎは昔、安価で多く手に入るものの、小骨が多く調理に手間がかかり、特に夏は脂が少なくおまり美味しくないと考えられていました。
江戸時代になると背開きにして蒸し、甘辛いタレをつけて焼くという蒲焼の調理法が完成し屋台で提供されるようになり、江戸では手軽に食べられるファーストフードとして人気になってはきていましたが、それでも夏場だけはどうしても売れなかったようです。
現代でいう「夏季限定メニュー」や「サマーセール」のような発想の販促だったようですね!
5.沖縄ではどんな夏バテ対策をしてきた?
沖縄では、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は本土ほど根付いていません。
その代わり、暑い夏を乗り切るために、
- ゴーヤー
- 冬瓜(シブイ)
- ヘチマ(ナーベーラー)
- 豚肉
- モズク
などの栄養豊富な地元の食材が昔から食卓に並んできました。
地域ごとに食文化は異なりますが、「暑さに負けず元気に過ごそう」という想いは、どちらにも共通しています。
6.先人たちが残した季節の知恵
現代ではエアコンや冷たい飲み物が身近になりましたが、昔の人々は暦を読み、旬の食材を食べながら、季節の変化に備えてきました。
土用の丑の日もそのような知恵の一つです。
旬のものをいただき、体を労ることは、今の私たちの暮らしにも取り入れたい習慣ではないでしょうか。
暑さの続く季節だからこそ、旬の食材を味わいながら、先人たちの知恵に想いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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