亀甲墓といえば沖縄を代表するお墓ですが、その最大級のお墓が都心の真ん中に位置するのをご存じでしょうか?
それは那覇新都心地区にある「銘苅墓跡群」です。
銘苅の中央消防署のすぐ横にある小高い丘が整備されているエリアです。こちらは琉球士族の伊是名殿内(いぜなどぅんち)のお墓で、1990年から発掘調査が実施され数百基余りの古墓も発見されており、この古墓群とあわせ国の史跡にも指定されています。
大きさはおよそ幅22m、奥行30m、面積は660平方メートル(約200坪)というからかなりの大きさといえるでしょう。
「えー、こんなに近くに貴重な史跡があったんですね~」と、皆びっくりします。門を抜けて墓庭に入るまで、まるでお屋敷に足を踏み入れるような感覚がしました。墓庭には穏やかな日差しが降り注ぎ、風も心地よいものでした。おそらく18世紀に作られたであろうこのお墓からは、上品さが伝わり、隅々まで工夫が施されている驚きの発見が多々あります。
案内板の記載を見ると沖縄県内の墓の中でも傑出したもので、風水の思想を基に作られたとあります。
(以下抜粋)
- 墓庭を囲む石垣には「相方積み(あいかたつみ)」を用い、隅には突出した石「隅頭(すみかしら)」があり、入口には本門と中門の2つの門があり、入口をクランク状につくることにより、ヤナカジ(悪い風)が直接墓本体に当たらない工夫が施されている。
- 左手には葬儀に用いた用具等を処分するための石を積んで作られた穴があり、墓本体の右手には土地の神であるヒジャイ(后土神'(こうどしん))を祀る祠が見られる。
- 墓室内は天井をアーチ状に組み、奥の壁にむかって3段、両側の壁に1段の棚が設けられている。
- 墓室入口付近にあるシルヒラシドゥクル(洗骨まで遺体を安置する場所)には、床面の石を外すと棺を置くための場所が現れる細工が施されています。
- このように墓内外の施設の精巧なつくりは沖縄県内において他では見ることのできないものです。
と記されています。
なるほど、さすが上級士族のお墓ならではですね!こんな立派なお墓を作ろうと心に決めた伊是名家の方々へはもちろんですが、お墓を設計した人、作り上げた石職人さんにも敬意を表したいです。
『後世に残る立派な建築物を手がけてくれてありがとうございます。』
そして、いつも奇麗に掃除や整備をしてくれている方がいることも感じます。ゴミがひとつも落ちていないのです。雑草も奇麗に刈り取られていてとても心地がいいのです。門中の方でしょうか?自治体の職員?ボランティアの方?常に環境整備を心がけていただき感謝です。
沖縄が世界に誇れる文化は沢山ありますが、琉球時代において独自の発達をして完成されたお墓「亀甲墓」も自慢のひとつですね。
さて、天久石材では「亀甲墓」のご用命を承っています。事前にお墓の完成品を3D画像にてご確認いただきながら、お客様のご要望に沿うよう調整を重ねながら納得のいくお墓づくりのお手伝いをいたします。2020年はお墓事を行うには最適なユンヂチです!どうぞお気軽にご相談ください。