沖縄では炊き込みご飯が定番!冬至に食べる『トゥンジージューシー』とは?

▼沖縄では炊き込みご飯が定番!冬至に食べる『トゥンジージューシー』とは?

本土では冬至といえば『かぼちゃ』と『ゆず湯』ですね。栄養のあるものを食べ、温かいお風呂に入り、冬の寒さを乗り切ろうという風習です。しかし、沖縄では冬至の日に食べるものといえば『炊き込みごはん』なんです。

ジューシー(雑炊)といわれる沖縄風の炊き込みご飯で、冬至に食べられるものは『トゥンジー(冬至)ジューシー』と呼ばれます。ジューシーは沖縄各地で、お盆を始め様々な行事で作られ、お供えされているという、とても馴染みの深い料理。では、なぜ沖縄では冬至に食べられるようになったのでしょうか?

そもそもジューシーは、お米や豚肉、田芋を使っていることから、昔はかなりのクワッチー(ごちそう)であり、栄養価の高い料理でした。そのクワッチーを先祖や神様にお供えし、そのウサンデー(お下がり)をいただくということで、お供えする側としても大変好まれたという背景があります。家庭では冬至の日になると、ジューシー、お茶、お酒、お線香を仏壇やヒヌカン(火の神)にお供えし、無病息災や一家繁栄をお祈りします。

トゥンジージューシーの季節になると、さすがの沖縄でも北風が強まり、体感気温はかなり下がるため、冬を一層感じられるようになります。近年は食材も豊富になり、豚肉の他、シイタケ、ヒジキ、ニンジン、かまぼこなどを入れた豪華なジューシーが並ぶようになっています。この日、沖縄県内のスーパーやお惣菜店には、香り豊かなでホカホカのジューシーが所狭しと並ぶ風景も、沖縄の風物詩となっています。

普段から馴染み深い料理であるジューシー。単なる炊き込みご飯ではなく、栄養満点なごちそうであり、みんな楽しみにしていた料理だったという、まさに『県民食』なんです。

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