琉球の偉人のお墓Vol.3 程順則 (名護親方)

琉球には歴史上に名を残す偉人が沢山います。そんな偉人達の功績とともにお墓を紹介していくシリーズ「琉球の偉人のお墓」。今回クローズアップするのは程順則(ていじゅんそく・名護親方)です。

程順則が中国から持ち帰った道徳の本「六諭衍義(りくゆえんぎ)」は徳川吉宗将軍に献上され、それが日本語に訳され寺子屋の教科書として全国に広まりました。今、私達が目にする教科書は琉球から始まった・・・と知った時、とても誇らしく思えました。

さて、程順則は六諭衍義の他にも「琉球いろは歌」を創作しています。六諭衍義の教えを広めるために詠んだ琉歌ですが・・・300 年も前に書かれた琉球いろは歌には、現在でも通用する教えが沢山詰まっています。人生をどう生き抜くか?人としての真心をどのように持ち続けたらいいのか?など素晴らしい道徳教育を私達に問いかけています。時代や場所は違えど、人類には学ぶべき、気づくべき普遍のテーマがあることを感じるはずです。

程順則は1663 年久米村生まれ。
清に留学したり、進貢副使として北京へ赴いたりして語学の才能を発揮しました。1728年に名護間切の総地頭(今の市長)となり、1734年に死去するまで政治家や学者、教育者として琉球の発展と人材の育成に情熱を注ぎました。その功績や人徳から名護聖人とも呼ばれ尊敬を集めています。

程順則のお墓は沖縄戦後の区画整理により識名霊園内に移転されています。琉球の偉人のお墓なのでさぞがし立派な造りでは・・・と期待しましたが、いたって普通のお墓。同じような形のお墓が並ぶ中、墓碑があるのが目印です。しかし、中にはあの程順則が眠っているのかと思うと空気感がやはり違います。

300年たった現在・・・果たして名護親方が望んだ未来になっているのでしょうか・・・。

★六諭衍義(りくゆえんぎ

  • 孝順父母(父母へ孝行をしなさい)
  • 尊敬長上(目上の人を尊敬しなさい)
  • 和睦郷里(郷里の自然を愛し周りに打ちとけなさい)
  • 教訓子孫(子孫を教え導きなさい)
  • 各安生理(自分の使命を全うしなさい)
  • 毋作非為(悪いことはしてはいけない)
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