▼沖縄のシンボル『シーサー』。特に石で出来たシーサーは火除けの神様だった!
沖縄を代表するお土産品の一つにシーサーがあります。赤瓦と同じ材料で作られていたり、やちむんでカラフルなものもあれば、漆喰で作られているものなど、まさしく多種多様です。沖縄では自宅の入り口や屋根に飾られることも多く、シーサーは沖縄らしい風景とも言えます。
シーサーは厄除けの守り神だということはご存知かと思いますが、シーサーの中でも石で出来た『石獅子』は火除けの神様でもあり、地域全体の守り神でもあるんです。琉球石灰岩という沖縄特有の石で作られており、新品は真っ白ですが、雨風にさらされるにつれて徐々にグレーに変化していきます。
石獅子の歴史は17世紀に遡ります。当時非常に火事が多く、庶民や役人は各地で発生する火事に悩まされていました。そんな中、八重瀬町(旧東風平町)の住民が風水師にアドバイスを求めたところ、近くにある八重瀬岳の影響であることを指摘。石獅子を作り設置したところ、火事が起こらなくなったそうです。ここから県内各地に石獅子は広まり、現在でも県内各地で見ることができます。
石獅子は集落の東西南北など、数ヶ所に置かれることが多く、邪気などが入らないよう、またはその邪気を跳ね返す役割があるとされています。守り神とされていながら、その表情はとてもユーモラスで、中には相当なマニアが存在するほどです。
ちなみに、現存する石獅子で最も古いものは、前述した八重瀬町富盛(ともり)にあるものとされています。高さ約1.8mもある大型のもので、長年地域の守り神として信仰の対象とされてきました。1945年の沖縄戦当時、この周辺は激戦地となったこともあり、その体にはいくつもの弾痕があるものの、現在でも厄や災難から地域を守り続けています。