地域を挙げて長寿のお祝いする風習『カジマヤー』とは?

▼地域を挙げて長寿のお祝いする風習『カジマヤー』とは?

世界トップクラスの長寿国である日本。そのお祝いをする昔ながらの風習があります。代表的なものに還暦(60歳)を始めとして、喜寿(77歳)、米寿(88歳)、白寿(99歳)などがあります。しかし、沖縄にしかない風習をご存知ですか?

それが『カジマヤー』です。満96歳、数えで97歳を祝うもので、旧暦の9月7日、2018年は10月15日に行われます。カジマヤーとは『風車』のこと。子供のおもちゃのシンボルとされ、年を取れば取るほど子供に戻っていくという考え方から来ていると言われています。

かつてカジマヤーといえば、地域を挙げての大イベントでした。派手にデコレーションした車(花車と呼ばれる)に、カジマヤーを迎えたお年寄りを乗せ、地域を大パレードします。その前後には地域の青年会や婦人会、子ども会などの行列が続き、棒術や旗頭(高さ5m、重さ50キロ以上にもなる地域の旗を持ち、威勢よく練り歩く芸能)など、地域に伝わる芸能が繰り広げられます。参加する人数も、地域のほぼ全員と言って過言ではない規模になるため、多い場合は数百名にものぼります。パレードの後は、地域みんなが参加するお祝いパーティです。公民館では入り切らない規模なので、小学校の体育館などを開放して行われていました。

しかし、時代が流れるにつれてカジマヤーは徐々に行われなくなってきてしまったのです。あまりにも大きい行事のため、地域の人口、特に若者が少なくなりつつある昨今では賄えなくなってしまいました。さらに、カジマヤーのお年寄りを抱えるご家族も「地域に負担をかけ過ぎてしまうのは申し訳ない」という思いから、地域からお祝いの申し出があっても、辞退するケースがとても多いのだそうです。

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