9月3日は『組踊の日』。そもそも『組踊』ってどんな伝統芸能?

▼9月3日は『組踊の日』。そもそも『組踊』ってどんな伝統芸能?

沖縄が誇る古典芸能の一つに『組踊』があります。ですが、名前は知っているけど、観に行ったことはないし、ストーリーもよくわからない、セリフも方言だから取っ付きづらい、なんて方も多いと思います。実はツボさえ押さえれば、組踊はとても親しみやすい芸能なんです。

組踊はよく『沖縄版歌舞伎』なんて言われますが、ちょっとだけ違います。まずはその歴史から。18世紀初め、当時の琉球王朝は中国と深い交流がありました。中国側も冊封使という使者を送っていましたが、当時の王府が冊封使をもてなすために生み出されたのが組踊です。歌舞伎は民間から出た大衆芸能が起源ですが、組踊は王府の専門家(現代でいう国家公務員)が創り出したものなのです。音楽、歌、セリフ、所作などの総合芸術で、王府があった首里城で上演されていました。

鑑賞の仕方も非常に独特で、一番の特徴は観劇の前に『ネタバラシ』をすること。そもそも冊封使も沖縄の言葉は当然わかりません。なので、事前にある程度ストーリーや見どころをレクチャーしてから上演していました。

さらに、組踊は『観る』ものではなく『聴く』ものであるとされています。上演の際、同時に飲み食いをしていたため、どうしてもお客さんは視線が舞台からそれてしまいます。なので『音』を重要視して構成されたと言われています。ちなみに、いい組踊を観たあとの褒め言葉は『ちちぐとぅやたっさー(お見事でした)』と言うのが粋とされます。『見事』ではなく『聞事(ちちぐとぅ)』。この言葉からも『音』を大切にしていたことがわかります。楽しみどころがたくさんある組踊ですので、一度ご覧になってみてはいかがですか?

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