ちりちりぃ~

旧盆が近づき、連日、近所の公園からは、エイサーの太鼓の音が流れてくる。大太鼓のどーん。どーんと響く音の間に、ぱらん、ぱらんとパーランクの音が混じり、思わず「いやさーさ。はいや」とフェーシ(お囃子)を口づさんでいる自分に、うちなーんちゅなんだなぁと苦笑い。

同時に「今年の旧盆は、いつかね~」と呟きながら、カレンダーに赤丸チェックを入れた。今年は、8月23日(木)、24日(金)、25日(土)。最終日のウークイが土曜日に当たり、日の並びも良い。親戚のおじさんたち、翌日の休みを良いことに夜通し飲むかもね。

さて、今日のテーマは、沖縄の法事や祝い事で出される重箱料理。三枚肉、かまぼこ(2種類)、揚げ豆腐、ゴボウ、ねじりこんにゃく、ターム(田芋)、さかな天ぷら、昆布の全9品が詰められている。地域やそれぞれの家によって内容は若干異なるようだが、私の家では先に上げた9品が重箱に詰められ、仏壇に供えられる。

重箱料理

この重箱料理、戦前は年に一、二度食べられるかというほどのご馳走だったので残り物も嬉しかったらしい。しかし、飽食の時代の今、食卓に二度登場させようものなら「は~。また仏壇料理な~」と文句を言われるメニューである。

そんなわけで、余った重箱料理を誰がもらうか?もらっても、その処理に困るという人々も少なくない。 ところが、ところが、今帰仁出身者には、重箱料理を二次利用した「ちりちりぃ~」を好む人が結構いる。

ちりちりぃ~」とは、余った重箱料理の具材を全部細かく刻み、表面に軽く焦げ目がつくまで油で炒めなおし、最後に4cmほどに切った青ネギをパランと入れた料理である。「ちりちりぃ~」の何が素晴らしいかって、細かく刻んでいるので食べやすい。うっすらと付いた焦げ目効果で香りも食感もアップ!普段、カステラかまぼこを好んで食べない私でさえ、かまぼこ好きに変身してしまう。三枚肉やタームに至っては、こんなおいしい物があるのかと感動を覚え、最後の最後までとっておきたくなる具材だ。ちなみに、大人用には最後に七味とうがらしを振りかけると、酒のつまみにもピッタリな一品である。

おかしな話だが、法事料理は好きじゃないが、「ちりちりぃ~」は好きという人も中にはいる。(うちの弟がその一人)せっかくのご馳走を最後の最後まで美味しく食べ切ろうとした先人の知恵とひと手間が生きているからだろう。

実は、「ちりちりぃ~」には、法事料理の二次利用以外にも素晴らしい効果があった。友人の紹介であったSさん。お料理が得意な彼女は、東京で料理店を経営した後、故郷沖縄へ戻ってきて今は、那覇市首里で沖縄料理の店をやっている。初対面の時にお互い今帰仁村にルーツを持つことがわかり、そこから「ちりちりぃ~」談義へ・・・。 「ちりちりぃ~」は、今帰仁人(なきじんちゅ)の認証のパスワードといっても過言ではない(笑)

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