▼一年で最も大切な行事『お盆』。先祖を大事にする沖縄ならではの独特な風習
本土で『お盆』といえば、行事というよりも『夏休み』や『帰省ラッシュ』というイメージが強いかと思います。しかし、沖縄では正月、清明、ジュウルクニチと並び、『四大行事』のひとつとなっています。清明とジュウルクニチは、お墓を中心にした行事ですが、正月とお盆は仏壇を中心として行われます。『お盆』という呼び名以外にも『シチグヮチ』、『ソーロン』などとも呼ばれることもあります。
その特徴は、本土のお盆とは全く異なった風習が根強く残っていること。一番の特徴は、旧暦で行われる点です。旧7月13~15日までの三日間、2018年は8月23~25日になります。13日を『ウンケー』、14日を『中日(ナカビ)』、15日を『ウークイ』と呼び、それぞれの日で様々な活動が行われます。
元々はその期間に先祖の霊を家に招き入れ、仏壇にクワッチー(ごちそう)をお供えしてご先祖をおもてなしし、家族の健康や子孫繁栄、その年の豊作の感謝や、翌年の豊作などを祈願します。
仏壇へのお供え物も本土のものとも若干異なります。例えば本土では、各種果物をはじめ、盆提灯や牛と馬に見立てたナスやキュウリなどがおなじみかと思いますが、沖縄ではパイナップル、バナナ、スイカ、ドラゴンフルーツ、マンゴーなど色とりどりで多彩なトロピカルフルーツが並びます。さらに、重要なのがサトウキビ。ご先祖が杖の代わりや、土産物を運ぶ天秤棒にするという意味が込められています。
お盆の三日間に行われる行事は、地域性が多々見られるのも特徴です。次回は沖縄県内の一般的なお盆の風習についてご説明します。