沖縄ではどこからともなく三線と歌を耳にすることが多いものです。
御祝いの席ではもちろんのこと、お盆やシーミーなど家族やご先祖様が集う時には三線と歌で盛り上げるのがウチナー流。
あまり知られていないのが・・・お墓の完成を祝うだけの歌があるのをご存知ですか?
沖縄ではお墓の完成祝のことを『開眼供養』といって、門中で集い儀式を執り
行います。
お坊さんや神人(カミンチュ、ユタ)などの指示に沿って進行される厳かな雰
囲気のなか、弔いやお清めの気持ちを込め披露されるのが「墓祝いの歌」。
幸せを願う『嘉例(カリー)』をつけるために、三人の演奏者(地謡)がお墓の
中に入り、三線を奏で3曲を歌います。
・かぎやで風
・恩納節
・辺野喜節
これらの3曲はいつも耳にする歌詞ではなく、墓祝い用の歌詞になっているの
で、日常で歌うことはほとんどありません。
そして、外に出て、墓の扉を閉じて
・止めのかぎやで風
・柳節
・天川節
・チルレン節
の4曲を歌い上げるのです。
ご先祖様を敬う気持ちを歌にのせ、集まっている門中の心がひとつになる瞬間
です。
生演奏で披露してくれるこの歌は心に響くものがあります。
沖縄の文化は独特だといいますが、まさに「墓祝いの歌」もそのひとつ。
このような古き良き沖縄の風習を次の世代へもしっかりと繋いでいきたいもの
です。