お墓で語られる一族英雄伝説

4月に入り、沖縄県は清明祭(シーミー)シーズンに入りました。

先日、那覇市の識名霊園辺りを走る路線バスに乗ったら、「清明祭の時期、○月○日と…の日曜日は、混雑が予想されるので迂回します!」というインフォメーションが出ていた。シーミー渋滞は今や常識!なんですね。

さて、シーミーといえば、家族や親戚、更に、始祖をおなじくする父系の血縁集団→門中(むんちゅう)まで、数人から数十人規模でお墓に集合する一大行事。重箱料理(クワッチー)を食べながら、繰り広げられる一族に関する話は、清明祭ならではの話題だ。

幼い頃、門中のシーミーへ行くと必ず聞かされる祖先の武勇伝があった。なんでも、数代前の先祖で空手の達人がいたらしい。門中墓は、大きな亀甲墓だが、その墓の天井には、例の空手の達人が付けた足跡が今でも残っているというのだ。実際、お墓の中に入ってみたところ、天井の高さは、2メートル以上ある。

親戚のおじさんは、「アレが空手の達人の足跡だよ。」と指し示すが、
う~ん。壁の沁みにしか見えない。
なかなか感嘆の声を上げない門中連中を前に、おじさんはなおも力説する。

「あそこがかかとで・・・、達人は、飛び上がって天井の壁を力強く蹴るほどのジャンプ力があったというから、運動神経抜群だったんだよ。」

そんな熱心な解説はシーミーの間延々と続き、やがて誰かが

「うちの子孫から空手名人が出ても不思議じゃないね。」
と発言すると、そうだ。そうだ。とおじさん達は泡盛を片手に乾杯した。

ちなみに、例の空手の達人の話を真に受けて、ウチの一族の間では、
「まー君が保育園で空手を習い始めたってよ~。」と誰かが言おうものなら、
「だぁ。ちょっと空手の型をやって見せてごらん」という流れになり、
幼いマー君が短い脚をちょこっと上げて、“エイッ!ヤー”とでも叫ぼうものなら、親戚の大人達は、「ひょっとしたらこの子は、空手の達人になるかも・・・」等と口走るのだ。

なんとも無邪気な期待感が溢れる。
それもこれも、お墓で語られる一族のヒーロー伝説のお陰だ。

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