▼お墓で盛大なピクニック!?沖縄の一大行事『清明(シーミー)』とは?
お墓の前に集まる大人数の団体、しかもいたるところで宴会が繰り広げられている─。そんな沖縄にしかない文化で、本土の人にとってみるとカルチャーショックとも言えるのが『清明』。しかし、清明は沖縄では一年の中でも重要な行事の一つです。
元々は中国の風習で14世紀頃に沖縄に伝わったとされています。一年を24等分してそれぞれの季節に名前を付けた『二十四節気(にじゅうしせっき)』の一つに当たり、2018年は4月5日が清明の入りです。『清明』は「万物が清らかで生き生きしている」という意味で、そもそもは農業が始まる時季に当たって祖先に加護を求めて祭儀を行っていたことに由来します。それが徐々に祖先の供養になり、沖縄に伝えられました。
一般的な清明の方法をご紹介すると、まずは前回ご紹介したお墓の掃除や草刈りをします。その後、持参したクワッチー(ごちそう)を墓前に供え、ウチカビ(あの世のお金)を燃やして一人ひとりがウコー(線香)をあげていきます。そして、お供えしたクワッチーを広げて、お墓の前で食べます。これは『神人共食』とも言われ、中国や本土にもない、沖縄独特の風習と言われます。
ちなみに、みんなが楽しみにしているクワッチーは、三枚肉、カマボコ、揚げ豆腐、魚の天ぷら、コンニャク、田芋、昆布、ゴボウを、それぞれ奇数分をお重に詰めたものです。最近は洋風のオードブルなど、現代風のクワッチーも多く見られます。また、非常に過ごしやすい時季でもあるため、清明はピクニック気分を楽しめる行事となっています。