沖縄では新暦よりも旧暦を基準にした年中行事の文化が深く根付いています。
十五夜は本土でも神聖視されていますが、沖縄ではさらにヒヌカン(火の神)・仏壇(トートーメー)への祈りを捧げる節目として定着しています。
「十五日の御願(ジュウグニチのウガン)」は、毎月ある行事の中でも生活に密着した「静かな拝みの日」です。
1.なぜ十五日に拝むのか
旧暦15日は、月がみちる望月、満月です。
琉球・東アジア圏では古くから満月は祖霊の力が最も満ちると考えられてきました。
そのため十五日は
- 祖先との距離が近い日
- 家の”気”を整える日
- 災いを払い、福を迎える日
と位置付けられています。
昔から「月が満ちるように家の中も満ち足りるように」との思いから続けられてきました。
文化人類学的にも「満ちる=家の力が満ちる」「欠ける前に祈って整える」という象徴行為であり、月と祖霊のサイクルを結ぶ儀礼だとも言えます。
2.家庭で行われる十五日の拝み
十五日の拝みは派手な行事ではなく、家庭の日常の中に息づいた守りの作法です。
- 仏壇へのお供えと拝み:祈りの内容は「家族が無事であることへの感謝」「祖先の守護への謝意」が中心です。
- ヒヌカンへの報告:ヒヌカンは、旧暦の1日と15日に拝む風習が強く残っています。「今日も無事に家を守ってくださっていることへの感謝」「家で起きた出来事の報告」が中心で、昔から「家の運勢はヒヌカンに始まりヒヌカンに終わる」と言われています。
- 家の四隅の清め:家庭によって差はありますが、塩水や線香を使って家の入り口や玄関、台所周辺を軽く清めることもあります。
白いご飯(白ウブク)を3膳供え、ヒラウコーをタヒラ半(2枚と半分)焚いて祈ることで、家族の健康や家庭の安泰を願うのです。
3.十五日は「家の呼吸が整う日」
十五日の拝みは大きな祭祀ではありませんが、沖縄文化では「家と祖先・神々の関係を日常的に結び直す日」として非常に重要です。
「満月の力」「祖先が近くなる感覚」「家の内外が整うリズム」が重なる、ウチナー的「巡りの節目」と言えるでしょう。
そして師走となった12月に当たった十五日(旧暦)は年の瀬も近くなり、「年仕舞いの一部」として位置付けられ、毎月行ってきたこと以上に、「一年の感謝」「来年への祈願」「家庭内安全の締めの挨拶」が加わります。家庭によっては旧盆やシーミーと同じように丁寧なお供物をするところもあるそうです。
また、お墓参りをする家庭もあります。普段の十五日は墓参りはしませんが、12月だけは年内に挨拶しておく、墓を清めておくなどの理由で訪れることがあります。
石材店としても12月はお墓の清掃依頼が増える時期でもあります。
そして、その翌日の12月5日は大潮です。
海の恵みが最も現れる時期であり、霊的境界が開く日でもあります。漁・農・祈りのタイミングとしてとても良い日だと言われます。
月・潮のリズムは、自然と共に生きてきた沖縄らしい民俗的感覚を育て、今も静かに息づいています。

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