このブログを見ていた県外出身の方から、「そもそも旧暦って何?」という質問がありました。
沖縄ではまあまあ身近なこの旧暦、県外の方には(地域差はもちろんあるでしょうが)馴染みがないようです。旧暦が記載されたカレンダーも六曜(仏滅や友引など)はあるが、旧暦はほとんどないそうです。
よって、ここでちょっと旧暦と六曜についてお話ししたいと思います。
まず、現在暦で使われているのは、「グレゴリオ暦」というものです。「太陽暦」や「西暦」とも呼ばれ、キリストの生誕を起源としています。日本は明治維新後の明治6年から採用され、それ以前に使われていたものを「旧暦」と呼びます。
以前の日本は月の満ち欠けをもとに、季節を表す太陽の動きを加味して作られた「太陰太陽暦」が採用されていました。
これは新月の日を各月の1日としてカウントし、次の新月で新しい月になるというものでした。
新月から次の新月までは平均29.5日。12ヶ月で約354日。
そのままだとだんだんと季節がずれていってしまうため、その差が約ひと月近くになると、閏月を入れて1年で13ヶ月ある年が出てきます。これがユンジチの由来です。
沖縄の行事は、この旧暦に基づいて行われるものが多いため、沖縄のカレンダーには大体旧暦が記載されているものが多いです。
そして同じようにカレンダーに記載されているもので、六曜があります。
先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口のアレです。
日本中でいまだに影響力があり、「結婚式は大安で」「葬式は友引を避ける」など冠婚葬祭とは切っても切れないものになっています。
仏滅や友引など、仏教と関連のあるように思えますが、仏教との関係はなく、単なる当て字です。
まずは各六曜の意味を見てみましょう。
- 先勝…「先んずれば即ち勝つ」からきており、早くことを済ませてしまうことが良いとされる日です。急用の処理や訴訟には吉日されます。
- 友引…元々は「共引き」で、勝負の決着がつかない良くも悪くもない日のこと。陰陽道での「友引日(ある日ある方向に事を行うと災いが友に及ぶとされる日)」と混同されてしまい、葬儀を避ける方も多いです。
- 先負…「先んずれば即ち負ける」。急用は避け、争い事や公事もよくないと言われ、万事平静を守ることが良いとされる日です。
- 仏滅…六曜における大凶日。元々は「虚亡」や「空亡」と称されていたものが、全てが虚しくなるという意味の「物滅」、それが転じて「仏滅」と表記されるようになりました。「仏滅」という漢字から「仏陀が入滅した日」と誤解されることも多いですが、「何事も遠慮する日、病めば長引く、仏事はよろしい」という解釈や「物が一旦滅び、新たに物事が始まる日」のため、「大安」よりも物事を始めるには良い日という解釈もあるようです。
- 大安…「大いに安し」の意味で、万事進んで行うのに良いとされる日です。「泰安」が元になっており、結婚式や建物の基礎工事着工日などをこの日にすることもおおいです。
- 赤口…正午前後(11時〜1時ごろまで)のみ吉で、それ以外は凶日とされます。また、「赤」という字がつくため、火の元や刃物「死」や「怪我」を連想させるものに注意する日とされています。
冠婚葬祭、特に仏事では「仏滅」や「友引」を嫌厭されがちですが、上でも言ったように六曜は仏教とは関係がないものです。また、最近は自治体や施設でも関係なく行われているようですね。