沖縄の葬儀はもともと仏教からのものではなく、独自の文化に根ざしたやり方で行われてきたものです。
仏教から始まった本州の葬儀と違っているため、葬儀ならでわのマナーなどが異なっています。
今回はそれを少し紹介したいと思います。
- 数珠や袱紗が必要ない
- ご遺体は「西枕」
- 葬儀の前に火葬をする
- 納骨の際にお墓の中に入る
- 火葬から納骨までを1日で済ませ、翌日すぐにお墓参りをする
- 新聞のお悔やみ欄に葬儀の告知が掲載される
上記について少し説明をします。
1.数珠や袱紗が必要ない
沖縄の葬儀は仏教から発展してきたものではなく、また檀家制度もありません。家それぞれ独自の自然崇拝や先祖崇拝の信仰があり、その家の長や馴染みのユタによって行われることもあります。そのため仏教の法具である数珠や日本文化を象徴するアイテムである袱紗は持参しなくても問題ありません。
しかし最近では、本州のマナーに合わせて持参する方も増えてきました。
2.ご遺体は「西枕」
ご存知の通り本州ではご遺体を家で寝かせるとき、「北枕」で寝かせます。
ですが沖縄では「西枕」または「南枕」で寝かせます。
これは太陽が沈む方角にご遺体の頭を向けるという自然信仰からきたものです。
3.葬儀の前に火葬をする
これ、私はあまりにも当たり前すぎて本州と違うということを最近まで知りませんでした。ただ調べてみると沖縄だけではなく、本州の一部地域でも葬儀前に火葬をする地域があるみたいです。
沖縄の場合は、やはり気温が高くご遺体の長期にわたってのご安置が難しかったこと、葬儀の後すぐに納骨式が行われることが理由になっているのかもしれません。
4.納骨の際にお墓の中に入る
以前書いたように、沖縄のお墓はもともと風葬の習慣があったため、中が広く作られています。
現在では火葬されるようになりましたが、遺骨は骨壷に入れられ、干支で選ばれた方(地域によって違います)が扉を開けて骨壷を持って中に入り、室内に納める地域もあります。
また、骨壷も本州のものとは違い、大きいです。
5.火葬から納骨までを1日で済ませ、翌日すぐにお墓参りをする
前述の通り、沖縄では葬儀前に火葬が行われます。
地域によっても変わりますが、
前日 お通夜
当日 納棺・火葬・葬儀・納骨式
翌日 お墓参り(ナーチャミー)
となっていることが多いです。
このナーチャミーはもともとは翌日早い時間にお墓へ行き、故人が生き返っていないかを確認するためだったようです。昔の西洋の棺にベルがついているのと同じ理由ですね。
近年では故人を偲んでお墓参りをするという習慣になりました。
また、地域によっては初七日までの7日間毎日お参りしたり、四十九日までの七日ごとにお参りするところもあります。
6.新聞のお悔やみ欄に葬儀の告知が掲載される
沖縄県民からみると普通のことですが、沖縄の新聞には葬儀告知の専用のページがあります。沖縄の人はこのお悔やみ欄を見て自分と縁のあった方などの葬儀を知り、出席したりお花を手配したりすることも多いです。
ご家族の死後、葬儀会社と葬儀の打ち合わせをする際に、お見積もりの中にこの新聞広告掲載料が入っていますが、現在では告知をしないご家庭も増えてきました。
また、場所によっては町内放送でお知らせされていたりもしました。
本州と違い、海を隔てかつて「琉球王国」という別の国だった沖縄。
葬儀の風習一つとってもかなり違っており、また沖縄の人はその文化で生きてきたため、それを知っていて当たり前のこととして過ごしているため、本州からきた方から見ると戸惑うかもしれませんね。