アブシバレーとクシユクイ

アブシバレーとクシユクイ

沖縄の旧暦4月の行事に、アブシバレー(畦払い)とクシユクイ(腰憩い)があります。

どちらも稲作に関する行事です。

アブシバレーは旧暦4月14日・15日に行うもので、元々は害虫の被害から作物を守るために、田畑の草をとり害虫を取り除く虫払いの行事です。

地域によっては作物に被害をもたらす害虫(イナゴ・バッタ)を草舟にのせて流す儀式が行われていました。流された虫の行き先は「ニライカナイ」「南の国」「ウフアガリ」「沖の方」などと言われています。四方を海に囲まれた沖縄では、12方位全てに神の住む場所があると信じられていました。

そしてそれぞれの家では「クファジューシー(お肉の入った沖縄風炊き込みご飯)」と「ウサチ(酢の物などの和物料理)」を仏壇にお供えします。

かつてはこの日は農業を休んで儀式を行なった後、角力や競馬を楽しむこともあったそうです。

 

そして旧暦4月の吉日にはクシユクイが行われます。

これは現代ではほとんど見られなくなりましたが、稲を付けたタイミングで行われていたと言われています。現在でも残っている地域もありますが、大体はサトウキビの収穫を祝うタイミングに変わってきているようです。

 

この二つの行事は稲作に関係するものが多いため、稲作の衰退とともに少なくなたり変遷したりしてきました。

それでも家によってはお仏壇やヒヌカンにお供えをする家もまだ残っています。

沖縄の文化、大切にしたいですね。